
RFIDとは: 基礎知識とRFIDを運用する際ポイント
Created with Sketch.Created with Sketch.Choose Year 年を選択 ALL 2023 2022 2021 2020 SAGジャパン株式会社 – RFID タグのソリューションを提供する RFIDとは: 基礎知識とRFIDを運用する際ポイント 1. RFID技術の概要:RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)は無線波を使って物品を識別し、追跡する技術です。 2. 日常的な利用例:RFIDタグは、小売店のセルフレジや高速道路の自動車識別(AVI)ETCシステムなどで広く使われています。これにより、効率的な商品スキャンや料金徴収が実現されています。 3. 業務の効率化:RFID技術は、サプライチェーン管理・在庫管理・追跡システムにおいても重要な役割を担います。業務の効率化やエラーの削減、全体的な作業効率向上に貢献しています。 RFIDは日常生活の多くの場面で利用され、業務の効率化にも大きな役割を果たしている技術です。 RFID技術は、過去20年間でさまざまな業界でその価値を証明し、デジタル化を促進し、日常生活における「つながり」を実現してきました。 初期のRFIDの主な用途は、小売業における在庫管理や、製造現場での資産追跡でした。技術の進化により、読取距離の延長や速度向上・セキュリティ強化が進みました。 その結果、RFIDは以下の分野で不可欠な技術となっています: • ヘルスケア(患者追跡、薬剤管理) • 製造業(自動化、品質管理) • 物流(リアルタイムサプライチェーン追跡) • IoT(モノのインターネット)(デバイスや物品の接続) さらに、RFIDはDigital Product Passports (DPP)の実現を支援し、製品の透明性や持続可能性を高める重要な役割を果たしています。デジタル時代において、RFIDの影響力はますます拡大しており、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献しています。 1. RFIDタグ・ICタグとは? 2.RFIDタグ・ICタグの運用仕組み 3.RFIDタグ・ICタグ、アクティブとパッシブの違い 4. RFIDタグ・ICタグの製品種類 5. RFIDタグ・ICタグの主なメリット 6. RFIDタグ・ICタグの主な用途 7. RFIDタグ・ICタグの選定 1. RFIDタグ・ICタグとは? RFIDタグとは? RFIDタグは、アンテナとマイクロチップで構成されるコンパクトなデバイスで、無線波を利用してデータをワイヤレスで送信します。 これらのタグは、製品情報・製造データ・シリアル番号など、さまざまな情報を保存することができます。 RFIDタグのセキュリティ:データ暗号化技術 RFIDタグは、保存されたデータを保護するために、暗号化技術を組み込んでいます。 代表的な暗号化方法には、DES(データ暗号化標準)、AES(高度暗号化標準)、ECC(楕円曲線暗号)があります。 これらの暗号化方式は、RFIDタグの使用環境やパフォーマンス要件・電力制約などに考慮して適切な方法を選ぶことが重要です。 • AES:高いセキュリティを必要とするアプリケーションに最適で、強力な暗号化を提供します。 • ECC:低電力消費で強力な保護を提供するため、電力供給リソースが限られている環境に最適です。 • RFIDタグとデータ保護 RFIDタグは、セキュリティとプライバシー保護のために非常に重要な技術であり、企業や個人のデータを守るために適切な暗号化方法を選択することが求められます。 RFID技術の周波数帯域とその用途 RFID技術は、さまざまな周波数帯域で動作します。各帯域により、適したアプリケーションや環境が異なります。以下に代表的な周波数帯域の特徴と利用例を紹介します。 1. LF(長波・低周波)RFID:125~134 kHz LF帯RFIDシステムは、短距離通信(通常10 cm以下)に対応しています。この技術は、金属や水分が干渉する環境で特に有効で、家畜の識別や管理に広く使用される畜産タグが代表的な用途です。ISO 11784およびISO 11785規格に基づき、タグとリーダー間の通信プロトコルが規定されており、信頼性の高いパフォーマンスが確保されています。 2. HF(短波・高周波) / NFC(近距離通信):13.56 MHz HF帯およびNFCは、セキュアで高速なデータ転送を提供します。HF RFIDは、アクセスコントロールや非接触型決済(端末決済)、公共交通機関のシステムに利用されています。ISO 14443規格に基づき最大約10 cmまでの読み取り範囲を実現します。NFCは、モバイル決済やスマートデバイス間の相互作用を可能にし、タップ決済システムにも使用されます。ISO 18092プロトコルを用いて、P2P(ピアツーピア)通信を提供します。 3. UHF(極超短波) / RAIN RFID:860~960 MHz UHF帯(極超短波)RFID / RAIN RFIDは、長距離通信(最大約10m)が可能です。在庫管理や物流・サプライチェーン自動化に最適です。RAIN RFIDシステムは、EPCglobal Gen2(ISO 18000-63)標準を使用して物品を高速に一括読取が可能です。電波を飛ばして通信を行うため、離れた場所から読取が可能です。この技術は小売業や産業分野でとても広く採用されており、大規模なエリアでの資産管理・追跡に非常に有効です。 これらの各RFID周波数帯域は、それぞれ異なるアプリケーションに対応していますが、機能を組み合わせることで、さまざまな用途に対応できる可能性が広がります。 デュアル・ハイブリッド周波数RFID技術は、NFCとUHF , RAIN RFID(極超短波)を一つのソリューションに統合し、短距離通信と長距離通信の両方の利点を提供します。 この統合により製品の相互作用がシームレスになり、容易な製品認証やオムニチャネル運用が可能になり、消費者体験が向上します。同時に、ブランドや小売業者はサプライチェーンをより効果的に管理できます。 偽造品・模造品への対策として、各段階での製品認証を確実に行うことができるようになります。 2. RFIDタグ・ICタグの運用仕組み RFID技術は、RFIDリーダーとタグとの間でデータをシームレスに交換することで効率的な追跡と識別を実現します。このプロセスには、以下のステップが含まれます: 1. 信号の送信: • RFIDリーダー: 近くのRFIDタグを探し、活性化するために無線波を送信します。パッシブシステムでは、リーダーはタグに電力を供給しますが、アクティブタグはタグ自体が電源を持っています。リーダーの信号は、タグの応答を引き起こすことによって、通信を可能にします。 2. 信号の受信: • RFIDタグ: RFIDタグは、アンテナとマイクロチップで構成されており、リーダーからの信号を受信します。パッシブタグはバッテリーを搭載しておらず、受信した信号がタグに電力を供給します。アクティブタグはバッテリーを搭載しており、バッテリーからの電力供給により信号処理と通信をサポートします。 • アンテナ: タグのアンテナが信号を受信し、タグのマイクロチップを活性化させ、データ転送の準備を整えます。 3. データ応答: • データ処理: タグが活性化されると、タグは信号を処理して保存されているデータ(例えば、ユニーク識別子(UID)・製品情報・その他の符号化された情報)を取得します。 • データ送信: タグは処理されたデータをリーダーに返信します。UHFタグはバックスキャッタ技術を使用してリーダーの信号を反射させるのに対し、LFおよびHFタグは電磁誘導結合(磁界)を利用してデータを送信します。 4. データ取得: • リーダーの受信: RFIDリーダーは、タグから送信されたデータを受信し、それをデジタル信号に変換してさらに処理します。 • データ統合: 収集されたデータは上位システムに送信され、在庫管理・追跡・認証または追加処理が行われます。 3. RFIDタグ・ICタグ、アクティブとパッシブの違い RFIDタグには主にアクティブRFIDタグとパッシブRFIDタグの2種類*があり、それぞれに特徴があります。 主な違いは、バッテリー搭載か非搭載かです。 *アクティブとパッシブの中間種である “セミパッシブRFIDタグ”もございますが、本記事ではRFID基礎知識として2種のご紹介とさせていただきます。 アクティブRFIDタグ・ICタグ 通常のアクティブタグは、内蔵されたバッテリーを使用して信号を送信し、長距離での通信が可能です。これにより、リアルタイム位置情報システム(RTLS)、資産管理、環境モニタリングなどの高度な用途に適しています。アクティブタグは、長距離通信や多機能性がメリットとなりますが、価格が高いことや定期的なバッテリー交換が必要な点がデメリットです。 パッシブRFIDタグ・ICタグ パッシブRFIDタグはバッテリー非搭載のため内部電源がなく、リーダーからの信号エネルギーでタグを起動し、データを送信します。そのため、コストパフォーマンスとメンテナンス性が良いという特徴があります。在庫管理やサプライチェーン追跡などの大規模なアプリケーションに最適です。価格が安価であり、大量の物品管理に対して非常に有効な手段です。 4. RFIDタグ・ICタグの製品種類 RFID技術はさまざまなサイズ・形状・仕様で利用可能であり、それぞれが特定の用途に合わせて対応可能となります。 主な種類は以下の通りです: Inlay and Label Hard Tag Card & Keyfob Sensor Tag 1.インレイ・ラベル:RFID技術はパッケージングや物流における商品追跡・在庫管理・医薬品パッケージングなどで広く使用されています。これらのタグは製品ラベルに埋め込まれており、消費財のアイテムレベル追跡に最適です。多量管理のアプリケーションや高付加価値アプリケーション、スケーラブルなシステムに適しています。 2.ハードタグ:耐久性が求められる資産管理や産業用途向けに設計されたRFIDタグです。頑丈な素材で覆われており、過酷な環境でも使用可能です。主に重機器や工具・機械などの追跡に使用され、仕掛品や作業中製品(WIP)追跡が必要な産業で広く採用されています。 3.RFIDカード&キーホルダー:アクセス制御・身分証明・キャッシュレス決済などのシステムで広く普及しているRFID技術です。これらはオフィスビル・ホテル・公共交通機関・集合住宅などで広く導入されており、安全で便利な認証手段として役立っています。 4.センサータグ:RFIDセンサータグはIoTアプリケーション向けに設計され、温度・湿度・圧力など環境条件をモニタリングします。コールドチェーン管理・環境モニタリング・産業プロセス制御を可能とし、リアルタイムデータを提供して製品の品質向上や運用効率の最適化を支援します。 RFID製品毎の詳細は、製品選択タブから当社製品をご覧いただくか、当社営業担当までお気軽にお問合せください。 5. RFIDタグ・ICタグの主なメリット RFIDタグはさまざまな読み取り範囲に対応したデータ保存・追跡・自動データ収集といった多種多様なソリューションを提供します。単純な認証・識別に留まらず、リアルタイムでの情報保存・更新による工程プロセスの自動化を支援します。RFID技術は視認性の悪い状況でもデータキャプチャ・情報取得・大量データ処理に対応できます。業務効率の向上・透明性・精度・追跡可能性・見える化といったメリットを提供します。また、循環型経済モデルを通じて持続可能性を期待できます。 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag Φ10 Button Tag 1.効率の向上(Enhanced Efficiency): RFID技術は、データ収集の自動化を促進し、人手作業の削減とプロセスのスピードアップを実現します。RFIDは視認性を必要とせずに複数のアイテムを同時にスキャンできるため、処理時間を大幅に短縮します。 例:自動化が推進された工場では、工具や機械などの資産にRFIDタグを取付することで、位置情報確認とメンテナンススケジュールの自動化を実現しています。機器の効率的な使用が促進されることでダウンタイム予防と手動での機器チェックが不要となります。現場作業がスムーズとなり労働コスト削減にお役立ちします。 2.見える化の向上(Improved Visibility): RFID技術は在庫の位置や状態に関するリアルタイムデータ取得が可能です。サプライチェーン全体で製品を高精度に追跡できます。見える化の向上によりデータに基づいた判断が可能になります。部門単位の意思決定から経営判断までサポートし、欠品防止や在庫の最適化が実現します。 例:RFIDはアパレル業界での在庫管理に広く活用されており、倉庫から販売フロアへの商品追跡に活用されています。すべてのアイテムにRFIDタグを付けることで小売業者は製品を迅速に特定し、棚卸の精度が向上いたします。欠品の最小化・消費者とのエンゲージメント向上により販売機会損失を抑える一助となります。 3.精度の向上(Enhanced Accuracy) RFID技術は自動認識技術として在庫データの精度向上に貢献いたします。バーコードの誤読・スキャン漏れといったヒューマンエラーを減少させます。信頼性の高いリアルタイム在庫管理をIoTシステムと統合することで、製品情報(偽造検出や期限日切れなど)を即座に記録・監視し、常に最新のデータを提供します。 例:病院のRFIDシステムでは、「スマートキャビネット」により薬剤の自動追跡を実現いたします。薬剤の追加補充・取り出し情報を記録してリアルタイム在庫情報が見える化されます。ヒューマンエラー削減・薬剤期限切れなどの情報を自動でモニタリングします。高精度な薬品管理情報がデータ提供されることにより、患者の安全性向上・薬剤の誤投与防止・偽造防止 / 真贋判定・重要薬剤の安定供給に貢献いたします。 4.セキュリティの向上(Increased Security) RFID技術は製品単位での認証を可能にします。偽造品のサプライチェーン流入を防ぎ、セキュリティを大幅に強化します。RFIDタグは暗号化技術により不正アクセスを防ぎます。認証機能は正規品のみパスできるように管理制御します。 例:製薬業界ではRFIDタグを使用して薬剤の追跡を安全に行っています。製造施設から薬局に至るまでをブロックチェーン技術と統合させ、製品の移動履歴を変更不可能なデジタル台帳に記録させます。これによりリアルタイムでの追跡と偽造防止が実現します。RFIDとブロックチェーンの組み合わせは、不正改ざん防止と消費者への正規品証明となります。取引履歴の透明性を確保として活用されています。 5.コスト削減(Reduced Cost) RFID技術は在庫管理や資産追跡といった日常的な作業を自動化することで、労働コストの削減を実現します。また、需要予測精度の向上によって過剰生産や過剰在庫を減少させて廃棄物削減にもつながります。 例:物流業界では仕分け業務や追跡業務の自動化として活用されています。手作業が減ることにより仕分けミスを最小限に抑え、ヒューマンエラーやダウンタイム・非効率的作業コストを軽減します。その結果、全体的な運営コスト削減が実現します。 6.顧客エンゲージメントの向上(Enhanced Customer Engagement) RFID技術の活用により、企業は顧客の好みや行動データに基づいた適切な体験を提供できるようになります。パーソナライズされたリアルタイムインタラクション(相互作用)を提供することで、ショッピング・消費体験が向上して顧客エンゲージメントを強化します。 例:海外の某有名ニット洋服企業は、NFC技術を使用してインタラクティブな顧客体験を提供とブランディングに活用しています。各製品にはNFCタグが取り付けられており、NFC対応スマートフォンで簡単に製品情報を取得できます。この機能により製品のサプライチェーン情報や羊のリアルタイムデータなどが提供されます。顧客とブランドの繋がりが深まり、ショッピング体験がより魅力的で記憶に残るものとなります。オンラインとオフライン体験がシームレスに統合することで、ブランド価値が向上し顧客満足度を高めます。 7.持続可能性の向上(Improved Sustainability) RFID技術は、在庫管理やサプライチェーンの可視化をリアルタイムで提供し、企業が廃棄物削減・資源の最適化・エネルギー消費の削減を実現できるようサポートします。また、RFIDはデジタル製品パスポート(DPP)の実装に理想的なツールの一つです。製品ライフサイクル全体の詳細追跡可能情報を持つことに貢献します。RFIDタグをデジタルデータベースにリンクすることで、企業は製品の起源・素材・持続可能性に関するデータの一元管理を行うことができます。環境基準に準拠した透明性の証明となります。 例:某グローバル繊維小売業者は、製造時からほぼすべての衣類にRFIDタグを付け、リアルタイムでの在庫追跡を実現しています。これにより、過剰生産や廃棄物を防いでいます。店舗では、RFIDにより在庫レベルのモニタリングが強化され、売れ筋商品を分析して効率的に再補充や生産計画に役立てています。さらに、販売後には、RFIDを活用して製品のライフサイクルを追跡し、リサイクルや再販・再利用の支援を行い、持続可能な管理を実現します。デジタル製品パスポート(DPP)とリンクさせることで、製品の素材や起源・持続可能性に関する属性を追跡可能にし、環境目標や透明性基準に完全に適合させています。 RFID技術は、運用効率の向上・コスト削減・リアルタイム追跡可能性の促進に不可欠なツールです。製品の認証を確保し、偽造品防止や持続可能な取り組みをサポートします。産業デジタルトランスフォーメーションにおいて、RFIDは経済的利益と環境的利益に寄与し、“つながる未来“を実現する一助となります。RFID技術はデジタル化を加速させる理想的なデータキャリアであることが今日までの20年来に渡り証明されています。既存のRFIDインフラはすでに整備されつつあります。RFIDは次のイノベーションのトレンドとなる、**Digital Product Passports(DPP、デジタル製品パスポート)**の推進に貢献いたします。 6. RFIDタグ・ICタグの主な用途 **Radio Frequency Identification (RFID)**技術は、正確かつ自動化された追跡およびデータ収集を可能にすることでさまざまな業界に革命をもたらしました。物品を高速・非接触で識別することができるため、現在では医療用途~小売業に至るまで、幅広い分野で必要不可欠な存在となっています。 Healthcare and Pharmaceutical: Automation and Manufacturing Logistics Automotive Retail Branding Acesses Control Others 7. RFIDタグ・ICタグの選定 In the path of digital transformation, besides RFID, NFC technology is picking up pace. Many businesses are seeking ways to stay relevant by using NFC transponders for better management and business intelligence. However, we often see inquiries coming with challenges such as small tagging space, extreme temperature or metal interference standing in the way to hinder the success of a use case. Understanding these pain points, SAG has an array of NFC tags and stickers to unleash the full potential of your application. 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag Φ10 Button Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag Φ10 Button Tag Φ10 Button Tag 4×2 / 5×3 NFC Ferrite Tag Φ10 Button Tag * Pictures are for reference. Co-build with SAGLab Finding the right manufacturing partner can be an overwhelming process, which is why we provide customization services to fit each application’s needs. Our expertise in antenna design, under-one-roof production facility, quality assurance and domain know-how give us the confidence to take your products on the journey from concept to